はしっこで独り言

日常の掃溜め。主な内容は演劇部とラビアレとMETEOS。——本家「Empty SORA」の方から来た方はブラウザで戻るか横のリンクからもう一度入ってください











 もう、戻れないのかなあ。僕は完全に光が見えなくなってしまった事で、その場でもがくのは止めてぼんやりそんな事を考えていた。ここはふかあい海の底。任務にいくために乗った船がアクマに襲われてしまって、僕はアクマに右の横腹を噛みちぎられた状態で海に放り出されてしまった。ああ、任務に出た時にはこんな事になるなんて思いもしなかった。こんな事になるなら、もっと色んな大好きな事をしておけばよかった。分かっていたはずじゃないか。いつかはきっとこうなるってことは。分かっていたはずなのに、あの時の僕はどこか平和ボケしていたらしい。






 海の底へようこそ、そして、さようなら








 海の中は只管に静かで、何の雑音も聞こえなかった。下も上も、右も左も、前も後ろも分からない。方向感覚を失ったのは海の深いところに行き過ぎて鼓膜が破れたせいかもしれない。鼓膜が破れると、方向感覚を失うとつい最近彼にきいたばかりだった。——彼? 彼とは一体誰だったか。今の僕には『彼』という言葉でしか彼を思い出す事が出来ない。彼とは誰だったか、思い出せない。
 でも今はそんな事どうでもよかった。今この瞬間、僕はとても安らいだ気持ちで海の奥底に沈んでいた。死への恐怖なんて物は微塵もない。寧ろ、死ぬ事かできる事が嬉しくて、僕は無意識に口元に笑みを浮かべていた。僕の今までの人生は、こうして死ぬ事でしか解放される事ができなかった。だからといってそう簡単に死ぬ事は出来ない。もしかしたら、僕はこの瞬間をまっていたのかもしれない。死んで、この神に束縛された人生から解き放たれる事のできる瞬間を。


 ——死んだからって救われるとは限らねえさ


 静寂に包まれて、気分よく沈んでいると、耳もとで聞き慣れた誰かの囁きが聞こえた気がした。けれどそれは気がしただけで、一体その声がなんと言っているのか僕は理解できなかった。考える事がもう殆どできなかったから、しっかりその囁きは聞こえていたはずなのに、何と言っているのかは分からなかった。


 ——死んでもつれていかれる場所は結局神のもとだ


 でもその囁きは、僕が理解するしないなんて関係ないらしくて、ずっと僕の耳もとで囁き続けた。懐かしい。これは一体誰の声だったっけ? 何時間たったかなんてわからない。僕が海に投げ出されてからきっと相当の時間がたっているはずだと思う。でもやっぱりそんな事今の僕には関係のない事でしかなかった。今はただ、自由を目指して沈んでいく他ない。


 ——だから、死ぬなんていわないで


 声は囁き続ける。


 ——ずっと、俺の側にいて


 僕はだんだんその囁きがうっとおしくなっていた。囁きはどんどん哀しそうな声に変わっていく。そして、どんどん囁きとはいえない大きな、訴えるような声に変わった。誰なんだ? この静寂を破ろうとするのは……やめて——


 ——アレン


 声は一際大きな声で、叫ぶように、それでいてどこか静かでうるさくて、懐かしくて……でも、僕はその声をききたくなかった。その名前を、その声が呼ぶのを、何故か、ききたく、なかった。
 身体がぐいっと何かに引っ張られるのを感じる。静かだった海の闇が消えていくのが分かった。やめて、やめて、ここから連れ出さないで……。それでも光はやってきた。何かが見える。あれは。















 ああああああ、めちゃくちゃねえ、いつかかきなおさなくちゃねえ、ちゅうとはんぱだしい。なんかわかりにくいし。
 死んでしまったアレンをラビがアクマにしてしまう時のアレン側の話。

























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