こう茶飲みながら昨日かいた絵を見ていて思い付いた。
目の前に広がる光景に唖然としながら、ラビは「それ」の中心で、ホッコリと紅茶とスコーンを楽しんでいるアレンに尋ねた。
「なあ、これ何?」
「はい? 何ですかラビ」
「だからこれ、何?」
「アフタヌーンティーですが何か」
「いや、それにしてもこれは——」
How is the tea ?
これは度が過ぎてるだろ——
アレンの周りには、大量のお菓子がはいった大きな(いうなればヘブラスかが茶碗につかうのにちょうどいいくらいの大きさの)バスケットと、ところ狭しと置かれている無数のポット。それに並んでマグカップくらいの大きさのミルクじゃグも数十個。砂糖ツボが、もうつぼとはいえない大きさの物が一つ——数千人ぐらいでアフターンティーができる程の量がそこにはあった。
ラビは苦笑いを浮かべながら、それらの物を踏まないようによっこらしょとアレンの側にいって隣に座った。アレンはそれをきにしない様子で紅茶を飲んでいる。どうやら、今はラビよりも目の前の食べ物の方がいいらしい。ラビは、彼の質問に答えてからいっこうに喋る気配のなくなったアレンの前で、数回てをふり、頬を引っ張り、脇腹をつねってみた。それでも反応はない。
「アレーン」
反能無し。
「ねえ」
アレンはスコーンを手にとると、まるまる一個を一口で食べた。
「聞いてる?」
せっかくアレンの為に長期のはずだった任務をたったの一週間でかたずけてきたというのに、当の本人はこうして食べ、飲む事に集中し、恋人には全然構ってくれない。そういえば一ヶ月程前、「俺が食べ物持って崖から落ちかけてたら、どうする?」と、思いつきで質問してみたところ、「食べ物を受け取ってさっさと帰ります」と即答された事があった。ラビは改めてアレンの食い意地にちょっと虚しさを覚えた。
「アレンさーん」
ラビの事は視界にはいっていないのか、ラビが顔をアレンの正面まで持っていっても、アレンはスコーンにラズベリージャムを塗るばかりで、無視しているのか気がついていないのか。とうとう業を煮やしたラビは、アレンの手からスコーンとジャムスプーンをひったくり、手を彼の頭の後ろにすばやく添えた。そこでやっとアレンは我に帰ったのか、目を見開いてラビを見つめた。
「え、ラ——」
何かいいかけたアレンの言葉は、あっという間に力任せにキスをしたラビに封じられてしまった。アレンは息をする間もなく口を塞がれ酸欠になり、手足をばたばたとさせて何とか逃げようとしたが、ラビの方が力は強いもんだからびくともしない。酸欠がそろそろ危ないところまで来て、アレンが意識を失いかけてときようやくラビはアレンから一度離れると、今度はアレンにガバリと抱き着いた。息がつまって苦しい。
「ちょっと、ラビ! く、るしい」
「人の話ぐらい聞けよ。せっかく帰ってきたのにさあ」
拗ねたような声でそういうラビに、アレンはやっと自分が紅茶に気をとられていた事を思い出した。ジェリーの新作の紅茶や、菓子を試食していて、すっかり夢中になっていたのだ。さっきラビの声に返事をしていたような気がしたのは気のせいではなかったらしい。
「……ごめん」
「しばらく離さないさ」
「うん」
更に抱き締める腕に力を込められ、アレンは死にそうなくらい苦しくなったが、今のラビには何をいっても聞かないだろう。拗ねた兎はとにかくしつこい。仕方がないなあとアレンはため息を吐くと、スコーンとジャムスプーンを奪われたまま宙に浮いていた腕をラビの背中に回した。
「ここがどこか分かってるのかしら」
「さあ、忘れてるんじゃないか?」
「ちっ」
それをすぐ側で見ていたリナリー、リーバー、神田は、彼等にここが食堂だという事を思い出させてやるかどうか、しばらく悩んでいた。
二人でお茶でもしようじゃないか
かなりぐだぐだ。勢いで書いただけの小説です。というか、大量のポットに囲まれているアレンが書きたかっただけだったり。
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