はしっこで独り言

日常の掃溜め。主な内容は演劇部とラビアレとMETEOS。——本家「Empty SORA」の方から来た方はブラウザで戻るか横のリンクからもう一度入ってください














「マスター」

「何だ」

「ドウシテマスターハ」





アノ ヒト ヲ キラウン デス カ?












人形姫とガラクタ博士










 メックスは今まで作業をしていた手をとめると、隣で作業台からひょっこり顔を出しているグランネストの頭をそろそろと撫でた。グランネストの髪はメックスの物とは違い、人の手で作ったもので、手触りはあまりよくはない。



「どうしてかって?」

「ハイ」

「どうしてだろうな」

「モー……マスター、ハグラカサナイデクダサイヨ」

「はは」



 珍しく彼は笑うと、グランネストをひょいと持ち上げ、肩車した。グランネストは突然の事に驚いて慌ててメックスの頭にしがみつく。メックスは、一変した視界にはしゃぐグランネストを跳ねるように彼の部屋に運んだ。今の一瞬でさっきの話題を忘れてくれたことに感謝をしながら。











 今日もいい天気だ。こんな日には毛布でも干せばいいんだろうが……ネストはそのことにきがついているだろうか。
 頼まれたものを作るための材料を買うために、街まで来ていたメックスは空を見上げた。ここ数日小降りの雨が続き、もう少しでからだがさびる所だったところ、やっとの晴天だった。
 先日、グランネストがした突然質問。別に人に教える義理はないし、それは、相手がグランネストでも代わりはない。そう思って今までその質問されたことの内容に関していっさい考えたことはなかった。ようするに、何故自分が彼女を嫌うかと言うことを彼はいっさい考えたことがなかったのだ。
 今更だが、メックスは改めて考えてみようと、青い空に浮かぶ白い雲を見ながらふと思った。



 ——何故私は彼女を嫌う?
 ——そういえば私は彼女とであった時から、彼女のことがどうしても気に入らなかった。
 ——理由なんて今日の今まで考えたこともなかった。
 ——彼女の何処に私の嫌う要素があった?
 ——あの髪か?
 ——あの瞳か?
 ——あの指先か?
 ——あの性格か?



「否、違う」



 ふと、メックスの身体を得体のしれない恐怖が襲った。背中がすっと寒くなる。手が震える。額から冷たい汗が浮かぶ。そうだ、この感じ。何故忘れていたんだろう。彼女と初めてであった時に感じた恐怖と同じこの感じ。
 目の前に蘇る、彼女の姿。その姿から溢れてくる空気。触れてしまえば今にも壊れてしまいそうな、華奢なガラス細工のような。
 そうだ、私はその空気が怖かった。今にも目の前から消えてしまいそうなあの空気が怖かった。
 メックスは、自分の肩をきつく抱くと、大きく深呼吸をした。人工心臓が止まってしまいそうな程ゆっくり動いている。体中の血が凍ってしまったんじゃないかと思うくらい冷たい。頭がくらくらして、気分が悪い。目眩がする。



 ——ダメ、だ。



 目の前が暗くなってくる。自分にいったい何が起こったのか分からないまま、買ったものが地面に落ちるガラガラという音を聞きながら、メックスは意識を手放した。













 何が怖い?

 分からない

 何故怖い?

 分からない

 分からない

 分からない

 分からないんだ














「ア、ヤットキガツイタ。マスター、ダイジョウブデスカ?」



 気がついた時にはすでに自分の家のソファーの上だった。心配そうなグランネストが上から顔を覗き込んでいる。メックスはそれに微笑むことで答えると、身を起こして、まだ心配そうにしているAIの頭をくしゃくしゃと撫でた。



「お前がここまで運んでくれたのか?」

「ハイ、マスターガタオレテイルトキイテ」

「そうか、有難う。誰が知らせてくれたんだ?」

「アノヒトデス」



















 人形のお姫さまとガラクタの博士。二人の糸は絡まり始めたばかり。





















Fin




























 メテオス夢?小説「人形姫とガラクタ博士」
でしたー。

辻さんにプレゼンツ!!

辻姫をちゃんと出せなくてゴメン!

久々に小説一本書ききった。





































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