はしっこで独り言

日常の掃溜め。主な内容は演劇部とラビアレとMETEOS。——本家「Empty SORA」の方から来た方はブラウザで戻るか横のリンクからもう一度入ってください












 サーチ登録一つ目を終えて何日か経ちました。何というか、やっぱりまずは自分で頑張らないとダメですねえ。でも人見知りマックスですからどうしようもなかったり。友達によぴかける作戦はちと難しいし。私のまわりの人達は小説読まない一多いから。うえーん。ぎゃわーん。どうすりゃいいんだよこのやろー。いや、一番いいのは挨拶まわりなんだろうけど、このビビリにそんな事ができるわけがない。今でも、リンクフリーサイトさんで話しかけれそうなところだけに声かけてるだけだもん。ちぇ。でもいいんだ。探索のコンテンツ「お題配布」のトップに今はいるんだもんねえ。もんねえ。
 とまあ、ちょっと悲しい独り言をいっていますがどうか気にしないでやってください。昨日から脳内ネガティブ路線突っ走ってます。こんな調子で「光にまぎれた闇の詩」かけるかなあ。
 つーことで——



光にまぎれた闇の詩 007





「ふーん、アレンはイギリスから来たんだな」
「はい、父が昔、この町に来た事があったらしくて、なんか酷い目にあったというのに楽しそうに話す物だったからどんな場所なんだろうって思って」


 結局ラビは、廊下でアレンをつかまえた後、今はラビの部屋に彼を引っ張っていって何故かお茶をしながら喋っていた。あの時はラビの頭は少し混乱していたらしく、何故そうしようと思ったのかは全然思い出せない。ただ一ついえるのは、アレンとこうしているだけで楽しいという事くらいだ。ラビは今も、「何故か」の連続で頭のなかがぐちゃぐちゃしていた。
 話をしている間にあっという間に二人は仲良くなると、いつの間にか会話の内容はお互いの込み入った話に変化していった。


「ということは、お前、今のこの町の状況驚いた?」
「もちろん。だって旅人が安心して泊る事が出来ないんですよ? 観光とかしたくても変装するか夜で歩くかのどちらかしかないんです。僕みたいなこんな格好の人間にはちょっときついですよ」


 そういいながら、アレンはちょちょっと自分の髪に触れた。癖で無意識にやっているのだろう。本人は全くそれに気がついていないらしい。アレンの触る白い髪は、アレンが頭を動かす度にさらさらと揺れる。銀髪でも混ざっているのか、白いだけのはずなのに何故かキラキラと輝いて見えた。
 うわあ……キレイさあ——
 ついついいつのまにかラビの視線はやはり、その白い髪と、銀色の瞳に集中してしまう。アレンは自分が話すのに夢中らしく、ラビが自分の話を上の空で聞いている事にも気がついていない。もちろん、返事はするし記憶もちゃんとしている。でも、ラビの思考の七割方はすべてアレンの「白銀」に注がれていた。
 こんな容姿の人間なんてめったに見る事が出来ない。髪も瞳もそして肌も殆どが白に近く、それに加えて容姿端麗ときた。彼が女ならば即落としにかかりたくなるような美少年。こんな少年がよくここまで無事に一人旅できた物だと思いながら、ラビは何やら先から自分の心臓がやけに早く鼓動している事にふと気がついた。ん? 何で俺、こんなにドキドキしてんだ?


「あれ、ラビ? 顔、真っ赤ですけど……大丈夫ですか?」


 しばらくラビはぼーっとしていたらしく、気がついてみるとラビの視界には一杯にアレンの銀の瞳が広がっていた。それがアレンのだとすぐ認識すると、ラビの体温は顔だけでなく体全体に広がり、燃えるようにあつくなった。ラビはその事に驚いた。今や心臓はくるってるかと思う程激しくうっている。


「うわっ、手も真っ赤ですよ! やっぱり風邪ひいたんですよ。ほら、僕はこれでおいとましますから、ラビはちゃんと寝ていてください。エクソシストなんでしょ? 体壊しちゃダメじゃないですか!」


 アレンは慣れた手付きですぐベットメイキングをすると、ラビをベットに押し込んでから叱るようにあれこれ注意した。ラビは、熱でぼおっとする頭で、そうか、俺風邪ひいたんか。それならこの体温の上がり方も納得出来る。きっと昨日の夜、腹だして寝ちゃったんだろうと呑気に考えていた。そうこうしていくウチに、アレンはいつの間にか扉の外にいて、「それじゃあお大事に」といって部屋を出ていってしまった。
 と、そのとたんラビの体の熱はあっという間にひいてしまい、これまた急激な体の変化に驚いたラビはガバリと起き上がると、心臓あたりを少し抑えてみた。さっきから相変わらず、激しく鼓動はしている物の、アレンがいた時よりかは少し落ち着いている。ところが、アレンの姿を想像し、アレンの声を思い出しただけで、また熱がぶり返してくるのが分かった。あれ、やっぱり俺風邪でもひいてるんかな。いっけねえ、トマに怒られる。急いでベットのなかに潜り込む。
 頭のなかがぐらぐらする。でも、けしてそれはしんどい物ではなく、どことなく気持ちがよかった。心が休まり、それでいてかき乱されるような熱がラビのなかを渦巻く。変な風邪もあった物だと彼は思いながら、ラビはまたさっきのアレンを思い浮かべた。
 白い、白い肌に、銀髪とも見て取れる白髪。ガラス玉見たいにきれいな瞳に、その白のなかを走る赤い傷。細くて華奢な体はきっととても軽いのだろう。とても少年とは思えない容姿。きっと今まで様々な苦労があったはずだ。
 仰向けになって白い天井を見上げる。でもラビの目には天井ではなく、アレンが映っていた。アレンの声にアレンの手触り。掴んだ時の手首の細かった事や、仕種の一つ一つ。彼のさっき見た物が全て映像となってラビの頭のなかを流れていく。彼は普通、一人の人間についてこんなに考える事はない。たいていそうする人間は記録対象だったりするわけで、今回のアレンはその中では異例に、記録対象でもないのに自然と頭の中にくり返し映像があられた。でも、ラビ自信はその事に全く気がつかない。今はただ、熱にうかされてしまったような頭で、只管無自覚にアレンのことを考えるだけだった。






 トマは変装した物のやはり他所者とばれてしまったらしく、帰ってきた時にはかなり酷い状態だった。体中痣だらけで、話に聞けば殴られたというのではなく、物を大量に投げられたそうだ。中には巨大な、岩といっても過言ではない石も混じっていたらしい。ラビは急いで宿の者に救急セットを借りると、トマの傷の手当てをしてやった。トマは自分でやると言い張ったが、ラビは無理矢理宿の者に逃げようとするトマを押さえ付けさせると、治療をした。


「アクマに攻撃された時よりかはマシなんです。離してください! 先に報告させてください!」
「だーめ。ソンナに報告したいんなら治療してるあいだにいってくれさ」


 そういうと、やっとトマは大人しくなった。今まで暴れていたのが嘘のように突然ぴたりと動きをとめると、ぽつぽつと、中とか集めてきた情報を話し始めた。


 ——町のある住人の話によりますと、毎夜毎夜深夜近くになると、どこからともなく悲鳴が上がるそうです。驚いた住人がその悲鳴の聞こえた方へといってみると、町の弥探れていた若い者の服と、そのすぐ近くに砂のような物が放置されていて、そして通りの向こうの方を白い人陰が走っていくのが見えるそうです。毎晩そのような事が起こる物だから、いつの間にか町の間では「白い服をきた者」が犯人だという噂が経つようになり、それからというもの町の中の誰もがその白い服の人間を警戒して夜は集団で出歩く事にしているそうです。それでも、若者の中にはそういう事への警戒心というのが殆どない物もやはりいるらしく、夜な夜な一人で出歩く物が絶えなくて、犠牲者も増える一方だそうです。——


 ラビは「白い人陰」でびくりと反応した。頭の中にはすぐにさっきまで一緒に会話をしていた少年が浮かび上がる。この時ラビの中を満たしたのはあつい熱ではなく、冷たい寒気だった。
 もしかしたら彼がアクマなのかもしれない。小さな少年がアクマになる事だってよくある事だ。今回のことは無視ができるような話じゃない。ラビはとっさに時計を見た。昼過ぎ。一時半だ。アレンはさっきちょうど、黒い鬘をかぶり、宿の女たちに化粧で傷を隠してもらっているのを見た。変装して町に出かけるところだったらしい。確かにそんな格好をしてこの町の服をきたアレンはこの町の人間に見えた。確か三十分くらい前だった。きっとまだ帰ってはこないだろう。帰ってきたら何か探りを入れる必要がある。
 

「ラビ殿? どうかしました?」
「え? あ、いや、大丈夫、何にもねえよ」


 ラビはあえてトマにアレンのことは話さなかった。というより話したくなかった。何故かこれだけは自分の中で解決させたい。彼は違うんだと証明したいと願っている自分がいた。ただ、彼自身はそのことに気がついていなかった。
 日がだんだん傾いていく。昼をすぎた後の日の落ち方は速く、あっという間に夜が近付いてくる。ラビは、そろそろと心の中を侵食していく不安を感じながら、アレンが帰ってくるのをまった。














 HPにあげる時はちゃんと書き直します。ぐだぐだよー。





















 さてさて、昨日はユー君の誕生日だったわけですがあ、バースデイ小説はかなりおくれる模様です。一応神リナで書いてる途中なんですけどねえ。
 ウィキで、「アリス」で調べたら、小惑星にそういう惑星がある事が分かった何だか嬉しいです。アリスって、私にとってかなり特別な名前だったりするので、なんか、何かにアリスという名前がついているだけでどきどきします。
 でも、ウィキに乗ってるのはパソコン画面の一面にもみたないくらいの少ない量の情報ばかりで、どういう星なのかというのは殆ど分からないんです。なんだか欲求不満になりそうだ。



光にまぎれた闇の詩 006




 銀色の満月が、空の一番高いところに昇る頃、満月の色を映したような髪を持つ少年は、暗い町の闇のなかを駆け抜けた。足音はなく、まるで影のように素早く静かに、闇のなかを移動する。少年は探していた。自分を追ってきた物を破壊すべ、闇のなか、それを探し続けていてた。
 道が行き止まりになる。少年は立ち止まると、いくてを阻む茶色の壁をしばらく見つめてから、ため息をついた。引き返すしかない。そう思って振り返ろうとした時、少年の脇を何かが通り抜ける気配を感じ、少年はすぐにその何かが通った方向を見た。——そこには、目的の物が少年をその醜い目玉で見つめていた。


「アレン様、帰りましょう」


 醜い物は、裏返ったような声で、少年に言い聞かせるようにゆっくりといった。そして、二本以上ある腕のうち一本を少年の方に差し出すと、すぐに飛ぶための体制を整えた。少年はしばらく醜い物の姿を凝視し、動かなかった。銀色の瞳は、月の光を受け、怪しく光っている。醜い物はそれをみて一瞬寒気を感じたが、それでも動かない少年の方に根気よく手を伸ばし続けた。
 そんな状態が数分くらい続き、少年はとうとう肩を竦めると、冷笑してからゆっくりと自分の手を醜い物の方へと差し伸べた。
 ——刹那。
 醜い物が気がついてみると、今まで少年に差し伸べていた腕がいつの間にやら数メートル先まで吹っ飛んでいた。その時にはもう遅かった。醜い物が逃げようとするよりも早く、少年はそれに飛びかかると、あっという間にバラバラに破壊してしまった。あたりにオイルが飛び散り、醜い物の残骸が散らばる。少年はその中心に、真っ赤に染まった服で立つと、その残骸を見下ろした。


「アクマが僕を連れ戻すなんて、千年早いんですよ」






 結局、あのあとすっかり熟睡してしまったラビは、昨日食いっぱぐれた夕飯の残り物を朝食代わりに食べていた。ここの料理人の腕がいいのか、冷めていても美味しいのが救いだった。
 食卓には他にも数人客がいて、ラビとは違うちゃんとした朝食を食べていた。因にトマは、朝早くから起きだして先に別の案内人と一緒に調査にいってしまったらしい。部屋を訪ねると、トマの服がそのままおいてあったから何かと思えば、他所ものだと思われないように変装して出かけたとイランがいっていた。
 昼になってトマが帰ってくるまで動くつもりのなかったラビは、ゆっくりと夕飯の残りを食べながら、他の客を観察した。
 全部で客はラビを除いて三人いて、一人は、黒髪の、ちょっと目つきが神田に似たヒョロ長い男。一人は、その男にぴったり寄り添うようにくっついている(夫婦なのだろう。お互い左の薬指にリングがある)、栗色の髪の女。そして最後に、ラビのちょうど向いに座っているアルビノかと思われるくらい真っ白な少年だった。
 ラビは、他の人物も観察はしていたが、殆どはこの白い少年に釘付けになっていた。こんな容姿を持った人間に出会うのは初めてだった。昔一度、アルビノの女にあった事があったが、その女は瞳が赤く、視力も悪かった。でも、この少年は瞳の色が銀色で、視力は別に悪いようではなかった。あと、左の頬に大きな切り傷が走っている。
 少年はラビに見つめられている事に気がついているらしく、たまに視線があった。その度にラビは、その澄んだ瞳にどきりとさせられたが、相手は何も思っていないのか、不思議そうにラビを見つめてから、また食事に戻る。
 他の客たちもやはり少年に釘付けになっていたが、その視線は少年の容姿ではなく、少年のすぐ脇にある皿の山だった。
 さっきから少年はかなりのスピードで、平然とした顔でかなりの量の料理を胃の流し込んでいる。料理人はわたわたと慌てながら、新しい料理を運び、その隣ではイランが伝票になにやら色々と書き加えている。少年の体つきはとても細く、到底この皿の山の分まで胃に入っているとは思えない。周りの者は皆、少年に釘付けになっていた。


「凄いでしょ。彼は二三日前からここに止まっているんだけど、その二三日で私たち二人の量合わせたのの何百倍も食べちゃったのよ」


 ラビがまだ少年の容姿に釘付けになっていると、栗色の髪の女がそんな事を耳もとで囁いた。そんな事を知っているという事は、彼等はもっと前からここにきているのだろう。
 少年が食べ終わり、席を立つとまたまた大慌てで厨房の下働きが出てきて、山と積まれた食器をせっせと片付け始めた。少年は下働きにすまなさそうに笑いかけると、そのまま食堂を出ていってしまう。ラビは思わず慌てて残りの食事をかき込むと、ばたばたと少年の後を追い掛けていった。


「ちょっと待つさ」
「はい?」


 呼び止めると、少年はきょとんとした表情で振り返り、なんでしょうと首をかしげた。何故かその仕種に、ラビは更にどきりと心臓が跳ねたのを感じたが、それがなんなのか彼にはまだよく分からなかった。


「え、ええっと、そのだな。お前の……それ、アルビノ?」
「え? ああ、これですか? 違いますよ」
「あ、そう……」


 すでに分かり切っている事を聞いてしまった。ラビは少し後悔しながら、まだ自分が何故少年を追い掛けたのかよく分からなかった。兎に角今は、目の前の少年と何か会話がしたかった。少年は、黙り込んでしまったラビを見て訝しそうに眉をひそめたが、ラビの服装を改めてみて、ハッとした顔になった。


「あなた、もしかしてエクソシストだったりします?」
「あ? あ、うん。そ、そうさ、俺はエクソシストで、今回はここにあるかもしれないイノセンスを回収しに——」


 そこでラビはとっさに口を抑えた。別に気密事項というわけではないが、こんな見ず知らずの人間にこんなあっさりと任務の内容を喋ってしまったのだ。 普通ならあってはならない事。ラビは焦ってあわあわと片手をばたばたさせながら、少年に今のは聞かなかった事にしてくれと目で伝えた。少年はそれが分かったのか、苦笑するとコクリとうなづき、自己紹介をした。


「僕、アレン・ウォーかといいます。あなたは?」
「お? 俺はラビさ」


 ラビとアレンはお互いの名前を小さく復唱し、そのタイミングがあまりにもぴったりとあいすぎた物だから思わず噴き出してしまった。















 おう、中途半端なおわり方になっちゃったよ。





















 そうそう、昨日は大慌てで書いてたから書くの忘れちゃってたんですが、一昨日、堤防沿いを自転車で走っていたら、何か川に泳いでるんです。その川、私が住んでいる近くに上流があって、そこでは誰だかしらないけど鴨とアヒルと兎を飼っているんです。川にアヒルと鴨は放し飼いにされていて、兎はすぐ側の掲示の中なんですが、下流の方に、よくそのアヒルとかもが流されてきているんです。今回、黒っぽかったからかもが泳いでるのかなあと思って、よおく見てみたら。                    ……亀じゃん                   亀が、マンホール半分くらいの大きさの亀がゆうゆうと川の流れに逆らって泳いでいました。えーっですよ。何で亀が泳いでるんですか。すぐ近くの貯水地から逃げてきたのか、どっかの飼い亀が捨てられた、もしくはやっぱり逃げたのか。どっちにしろ、目の前で川を泳いでいるに違いない。一緒にいた友人も、それを見て「網もってない?」
 私だって網がありゃすくいたかったですよ。でも学校から帰ってる最中ですよ? 網なんて持っているわけがない。ちょっと悔しがりながら私たちはその場を後にしました。次の日、堤防に行ってみても亀は見当たらず、その後、あの亀がどうなったかはしりません。



光にまぎれた闇の詩 005




 リトの道案内には迷いがなかった。前々から、通る場所は決めていたかのように、宿屋の名前を聞くとあっという間に走り出し、分かれ道もすぐに選んで走っていく。小さな背中がちょこまかとあっちの道からそっちの道に走って行くのを必死に三人は追い掛けながら、すでに彼等は自分達が今何処にいるのかも分からなかった。途中ラビは、こんなんじゃ道案内の意味あんのかなと一瞬思ったけれど、すぐに、樽を飛び越えて姿が見えなくなったりとの方に気をとられ、思考は中断した。


「リト?」


 イスラは一瞬焦ったようにあたりを見回し、樽の中を覗き込んだが、リトが樽のすぐ側の大人なら屈まなければ入れないくらいの小さなドアの前に立っているのを見ると、ほっとした表情になった。リトはドアの前に立ち、そのすぐ側にかかっている看板を指差した。看板には『宿屋・アネモネ』とかかれていた。
 ラビはとっさに時間を確かめるために、町の真ん中ににょきりと飛び出している時計台に目をやった。三時十七分。リトが出発したのはたしか二分前だ。距離は結構走っただろうし、かなりの分かれ道があった。あんな町の構造を小さな男の子がすべて記憶している。ラビは自分のことは棚にあげておいて、リトの異常な記憶力に驚いた。
 リトはそれぞれ驚いたりげっそりしている三人を無視し、そのまま、宿の扉をリズムよくノックすると、返事のノックが返ってくる事を確認してから扉を開けて中に入った。リトの体が建物の中に消えると、今度は入れ代わりに、髭面の柔和な顔つきの男が屈んだ体制で中から顔を出した。外に突っ立ち、どうすればいいのか分からない三人を確認し、あたりの様子を伺ってから手招きをする。まず最初にイスラが中に入り、次にトマ。最期にラビが中に入ると、男はまた外の様子を念入りに伺ってから扉を閉めた。


「いやあ、よくきたね。私はイラン・ティーティル、この町の町長だ」


 男はにっこりと満面の笑みを浮かべながら、ラビとトマを迎えてくれた。すぐに台所から女が数人あらわれ、食事の容易を始める。ラビとトマはそれをちょっとぽかんとしながら見ていた。今一つ状況が掴めない。


「疲れただろう。君たちの部屋は203号室と204号室だ。荷物はイスラに持って行かせるから、ゆっくりしていきな」
「あ、ありがとうございます」


 イランのすぐ横には、イスラが仏頂面で立っていた。顔はイランから背け、相変わらずラビとトマに敵意を示している。イランはそんな彼の態度に気がつくと、渋い顔をしながら二人に謝った。


「すまない。実はこの町は数年前まで完全に町の住民だけで暮らしてきた閉鎖的な町でね、私が町長になってから、駅をこの町の前に造ってもらったんだが、昔の週間で他所者には厳しくてな」
「宿がこんな奥まった場所にあるのもなんか関係してるんさ?」


 ラビは今まで通ってきた道を反芻しながら、頭の中で地図に場所を当てはめているうちに、その事に気がついた。旅人等の他所者を泊めるためにはかなり複雑な場所に入り込んでいる。
 イランはラビの言葉にちょっと驚いた顔をすると、簡単の声を出した。


「凄い……すぐにここが奥まっている場所だと気がついたな。たいていの客はまず、ここから何処にいけば何処が一番近いかと聞いてくる。貴方のいった通りだよ。この町にはまだたくさん他所者を嫌っている人間がいる。だから目につくところには宿屋をおけないんだ。もしも他所者がいると分かったら、殴り殺しにくるかもしれない」


 いや、それは言い過ぎかな。イランはそういって笑った。ラビとトマは、もしかしたらとんでもない場所にきてしまったかもしれないと感じたが、何にしろ今は任務の最中。そんな事に構ってはいられない。兎に角、今日は体を休めよう。
 食事の用意ができるまで、部屋でまっておくよういわれたラビは、階段で二回にあがって行く途中、リトが一人の女性に抱き着いたまますやすやと眠っているのを見た。





 部屋は少し薄汚れてはいたが、いい部屋だった。入り口近くにおいてあったハーブの匂いが部屋を満たしている。ラビはベットに寝転がり、誕生の茶色いシミをじっと見つめながら、今日あった事を整理した。
 まず、他の町となんら変わらないように見えた、駅前の町の様子。町長の話からすると、きっとあれは別に他所者には反対していないもの達が集まっているのだろう。反対者たちはもっと、きっと町の奥にいるに違いない。次に、イスラと町長。二人ともよく喋る。苗字が同じところを見ると、きっと親子なのだろう。仲が割るそうだ。次にリト。あの子は不思議な子だ。ちゃんと大人を道案内出来るくらいしっかりしているかと思えば、あんなふうに人に甘えていたりもする。辛い過去をもった者にはよくある事だけれど、リトの凄いところは、それに加えてのあの記憶力だ。ジジイが見たらきっと弟子にしたがるだろうさあ。寝返りをうちながら、ラビは、今頃世界のどこかでイノセンス保護をしているだろうブックマンの姿を思い浮かべた。


「ブックマン……か」


 ブックマンっていうのは、結局なんなんだろうな——
 時計の音がやけに大きく聞こえる。ラビはその音に耳をすましているうちに、だんだん眠たくなってきた。
 だいたい、歴史を記録して何になるっていうんさ——
 視界がだんだん黒くなっていく。意識が深い闇のなかへと落ちていく。体にどっと疲れが、波のように押し寄せてくる。
 ブックマンっていうのは、本当に必要なのか?——


 たくさんの記憶が溢れてくる。楽しいものばかりではない。寧ろ、辛い記憶が多いなか、彼は必死に幸せな夢を見るための幸せな記憶を探した。けれど、綺麗に光り輝く記憶は掴めばすぐに砕けてしまい、掴む事が出来ない。ラビは必死で手を伸ばし続けた。無数の、常人の量を遥かにこす記憶のなかから、たった数個しかない幸せな記憶を探り出すために。


 そして彼は、それ事態が悪夢だと気がつくことはない。














 ちょっと(かなり)ぐだぐだ。























 なかなか思いつきもしない癖に、強迫観念に捕われて又小説を書き出そうとしている輩。それがわたし。頭の中で、「のんびりいこうよ」という自分と、「さっさと書かんか」と激を飛ばしている自分がいるんですよ。今回は激とばしの自分の言葉を信用しちゃいたいです(願望かよ
 やっと4こめ。




光にまぎれた闇の詩 004





「トマー、大丈夫さ?」


 コンパートメントの扉を開けると、その向こうで尻餅をついてため息をついているトマがラビを見上げた。ラビは、驚かしてゴメンさあ、とまたへらへらした笑顔で申し訳なさそうに謝り、トマを立たせた。トマは服についた埃を払いながら、大丈夫ですといい、苦笑いをする。その苦笑いに苦笑いで返しながら、ふと廊下の床を見てみると、トマの背負っていた大きな機械の箱があたったのか、大きな凹みができている。


「うわ、やべーさ。これどうしよう」
「ひゃあっ、私の不注意のせいでえっ」
「いやいや、トマのせいじゃないから。俺のせいだから」


 顔を青くするトマを宥めながら、ラビは誰もこの廊下が凹んだところを見ていないか確認すると、ふうっとため息をついた。こんなのを見られてしまえば、いくらエクソシストとてども、きっと弁償は免れない。ただでさえラビの戦闘能力で日々吹っ飛んで行く建物の弁償できりきり舞いしているコムイを、これ以上いきり立たすなんて考えただけで恐ろしい。
 やっと落ち着いたトマに再度謝り、ラビがコンパートメントに戻ろうとした時、とうとう列車は目的地についたらしく、ラビが座ったとたん窓の外を確認したトマがそろそろ降りますと言った。
 列車をおりると、駅のすぐ外はもう町の中だった。今はちょうど夕飯の買い入れ時なのか、すぐ側の市場はとても賑わっている。ラビはとんとんと軽やかに駅の階段を一段飛ばしで下りると、振り返り重たそうに荷物を抱えているトマを見た。ありゃ持ってやった方がいいかなあ。一瞬そんな考えが過ったが、真面目なトマのことだから、きっと申し出たところで即刻断られてしまうだろう。そう思い、ラビはただ、トマのスピードに合わせて歩いてやる事にした。


「そいつ、重そうだな」


 自分の持っている軽い荷物にも目をやりながら、ラビはトマの背負っている荷物を一瞥した。何だろうか、この差は。エクソシストの中には、無駄に荷物の多いやつもいるけれど、たいていの場合身一つで任務に向かう。ところが、ファインダーはいつも、自分の重い荷物をえっちらおっちらと運んでいるのだ。これは、教団から指定されているファインダーようの対アクマ武器(もちろんイノセンスとは違い、その能力はただアクマの動きを遅くさせるだけと言う代物だが)らしい。ファインダーにとっては、これが自分の身を守るための唯一の道具であり、仕事の為の道具でもあるから、消して手放せない。


「なあ、持ってやろうか」
「結構です。エクソシスト様に持っていただく等もってのほか——うわっ」


 ラビの方を向いて、喋っていたトマは案の定足元の石につまづき、盛大に転けた。よく転ける奴だな。ま、新人だからしょうがないさ。ラビは何だか悔しそうにしているトマをもう一度立たせ、やっぱり俺が持つさあと、トマの荷物を軽々と抱えると、さっさと歩き出した。服についた砂を払っていたトマは気がついてみるともう十数メートル先に行ってしまっているラビを大慌てで追い掛けた。





 サポーターは光の加減で銅色にも見える金髪をした、十歳くらいの小さな少年だった。ラビは、最初にその少年を見た時、サポーターの弟か息子かどちらかかと思い、その少年の隣についている黒髪の青年の方がサポーターだと思っていた。ところが、話に聞いてみると、この迷路のような町の構造をよく知っているのはこの小さな少年の方で、青年はただの保護者として、少年についているだけの少年とは血の繋がっていない、面識も数回しかない他人だった。


「こいつはリト・モーガン。今回貴方達の町案内をする者です。俺はイスラ・ティーティル。リトの保護者として今回側についている役割の者です」


 黒髪の青年——イスラはラビに向かってそういうと、軽く礼をした。どことなくよそよそしく、そして台詞の中に含まれる空気が冷たい。こんな狭い町の中で育った子供だ。他所者には敏感なのだろう。イスラから軽い敵意を感じたラビは、短くお礼をいうと、リトに今度は向き合った。
 リトの容姿は珍しく、さっきもいった通りの髪の色に、瞳の色はどことなくオパールを連想させるような、やはり光の加減で色が変化する色をしていた。ラビが見つめると、少年も見つめ返してくる。挨拶をまっていると、イスラが口を挟んだ。


「そいつは口がきけませんし、愛想悪いから、挨拶をまっても無駄ですよ」


 その言葉と同時に、イスラの足の影にリトは隠れてしまった。どうやら、表情を見る限り別にラビやトマを怖がっている様子はないが、きっと警戒しているのだろう。少し眉をひそめ、こちらを伺っている。しばらくすると、何かを確認したらしく、ほっとした顔つきになるとイスラの足の影から出てきてまた無表情にラビを見つめた。


「こいつの親は、三年前貴方達のいう『AKUMA』に殺されたらしいです。それからというもの、誰かに会う度にまずは三年前のことを思い出しながら、親を襲ったやつと気配が似ていないか確認するようになったらしいんですよ。そういえば、口がきけなくなったのも、その時のショックのせいだとか町長がいってたな」


 きっと、始めに説明するようにいわれているのだろう。イスラはラビが質問する前にラビの聞きたい事をスラスラと機械的に唱えた。台詞は普通に発しているはずなのに、その音の響きがどことなく機械的だった。
 リトはしばらくすると、ラビの足にぴあリとくっついてから、彼の服の裾を引っ張った。どうやら案内をはじめてくれるらしい。ラビは大人しくリトが引っ張る方向に足を向けながら、リトに優しく微笑みかけた。
 こんな小さな子供が、こんな風にエクソシストに協力するというのはめったにない。協力しようとする子供は、いつも親や兄妹をアクマに殺され、それでも哀しみに屈しなかった心の強いものばかりだという。ラビはそんな小さな勇者に心の中で賛辞を贈りながら、リトの頭を撫でた。









 オリジナル登場! わおーわおわおー、登場させちゃったよ。リトとラビが仲良くなればいいなあ。なんて考えている私です。リトとイスラに会ってから、トマの影が一気に薄くなっちゃったのがどことなく哀しいな。
 ラビラビ。ラビか大好き。ラビの話を書いてるだけで私幸せ。























 空を見上げ、DJはため息をついた。ここ四日間、ロクのなものを食べていない。今、腹はきゅうきゅうと切なそうに泣いていて、彼は気分が悪かった。確か最期に食べたのは、お情けでパン屋のオバサンに譲ってもらったパンの耳五本——



春終わるころ



 思えば、この人工惑星にやってきてから、もう七ヶ月になる。時間とはなんて早くすぎてしまうんだろう。この星に憧れて、貨物船を密航してきたあの瞬間が昨日のように感じられる。確かあの頃は、こんなに目線も低くなかったし、腕っぷしも結構強かった。ところがどうだろうか。この星に着いてそうそう変なやつに捕まって、身体をこんなに縮められてしまった。
 DJは自分の身体を見下ろして、また一つ、ため息を吐いた。
 今彼は、土手の草の上に座り、川をぼんやりと眺めているところだった。本当なら今日は『スクール』に行かなければならない日だったが、腹が減りすぎてどうしてもそんな気分になれず、無断欠席する事に決めたのだ。でも、家の中にいるのでは腹がたまるわけもなく、仕方がないから、こうして外にでて、何か落ちていないか探していたわけだった。でも、そろそろ限界だ。腹が減りすぎて力が出ない上、頭も痛くなってきた。DJは、空を見ている格好のまま後ろに倒れると、青い顔をして寝転んだ。もうだめ……俺、死ぬかも。


「ア、DJサン!」


 頭の上から、少し機械音の混じった声が聞こえてきて、DJは思わずびくりと身体を緊張させた。あの変なやつの所にいたAI。今はスクールの幼年組で一緒に勉強をしているグランネストだ。おいおいおいおい、今授業に出てるんじゃないのかよ。


「コンナ処デ、何ヲシテイルノ? 今、スクールニイルハズデショ?」


 グランネストはパタパタと、買い物篭らしきものを片手に、土手を降りてくると、あおけのままのDJを覗き込んだ。


「お、お前こそ、こんなとこで何やってんだよ」
「ボクハ、オ使イ。マスターガ今、最近流行ノコンピーターウイルスニカカッチャッテ、ワクチンソフトヲ買ッテキタトコロナノ」


 ということは、今スクールにはフォルテとダウナスしかいない事になる。あいつらだけじゃきっとまともな授業にならないだろう。
 幼年組は、殆どグランネストとDJだけが問題に答えているようなものだった。ダウナスは睡眠薬片手に寝たふりをするのに忙しいし、フォルテは、いちいち手をあげる事に怯えてなかなか発言しない。そこで、グランネストが素早く手をあげると、さらさらと問題に答えてしまう。DJの発言が許されるのは、グランネストが頭を休めている時だけだ(それでも結構発言出来る)。DJはおたおたしているフォルテと、ぐうすか狸寝入りをしているダウナス相手に、教師が困った顔をしているのを想像して思わず苦笑した。


「DJサン、何ダカ顔色悪イネ。ドウシタノ?」
「腹が減ってるんだ。今日休んだのはそれも原因」
「ソレナラ、コレアゲル」


 グランネストは、買い物篭からリンゴとバナナ、それからたまごを一つ取り出すと、DJに渡した。DJは、その微妙な組み合わせの食べ物を見ると、まずすぐさまリンゴにかじり付いた。


「ありがとう、助かった」


 グランネストは嬉しそうに笑うと、そろそろ行かないと、といって土手をあがって行った。何故たまご一つなんだろうという疑問が残ったが(どうせなら丸まる一パックくれたらいいのに)、それでも、ある程度腹の虫が治まった彼も、また何か落ちていないかと探すために土手を離れた。


 春も終わり、麗らかな陽気から、もうすぐ夏に向かって空は色を変えて行く。春の風に、夏の陽射しはとても気持ちがよかった。












 日常の切れッぱし。